拠点リーダー

広井 良典
(ひろい よしのり)

 

千葉大学法経学部教授/社会保障論・公共政策

 

■定常型社会=持続可能な福祉社会のビジョン

 これまで異なる文脈において論じられてきた福祉(社会)政策と環境政策の統合というテーマにここ数年関心をもっており、既に『定常型社会』(岩波新書、2001年)、『生命の政治学』(岩波書店、2003年)等の著作を公刊してきたが、これをローカル−ナショナル−グローバルの各レベルにおいて実現していくための具体的な政策や思想について、深化を図っていきたいと考えている。また、21世紀後半における「グローバル定常型社会/グローバル福祉国家」の実現の前提として、中国や日本を含むアジアにおける「持続可能な福祉社会」というテーマに関心をもっており、アジアにおける社会保障の比較研究や一国レベルを超えた福祉国家の可能性について調査研究を進めている。

 他方、ローカルなレベルないし臨床的なレベルに関しては、これまでも「ケア」や死生観を主題とする研究を進めてきたが、「自然のスピリチュアリティ」や「死を含むコミュニティ」といった概念を手がかりに、実践的なプロジェクトを含めた研究を進めていきたい。