「1848年ダブリンにおけるアイルランド連合とコンフェデレイト・クラブ」


本報告では1848年のダブリンにおけるアイルランド連合とその下部組織として設立さ れたコンフェデレイト・クラブの活動に焦点を当てる。このアイルランド連合は、 1840年代を通じてアイルランドで最も関心を集めた政治課題であったイングランドと の併合関係の解消を目指すリピール運動を展開するために1847年に設立された団体で あった。このアイルランド連合が支持者拡大および会員への教育活動を行うために設 立したのがコンフェデレイト・クラブであった。1847年末の段階でダブリンにこのコ ンフェデレイト・クラブは5つしか設立されなかったものの、1848年になると急速に その数を増加した。1848年7月にはアイルランド連合幹部によって「蜂起」が起こる が、その直前までにはダブリンに約50のコンフェデレイト・クラブが設立されてい た。このようなコンフェデレイト・クラブの組織化の背景をアイルランド連合幹部の 思惑と実際にそこに参加した人々の心性を明らかにすることによって、1840年代アイ ルランドにおけるリピール運動がアイルランドの「国民化」に果たした意義を検討し ていきたい。