「『労働研究と公共性』コロキアム」
趣旨文:
 20世紀の終わりから現在にかけて、労働の世界は大きく変化している。経済のグローバル化のもとで、日本ではかつてなく失業率が高まり、不安定就業層が増大し、労働条件の格差は拡大を続けている。長期にわたるフリーターが増すいっぽう、「正社員」になった者も若年層中心に異様なまでの長時間労働が常態化している。労働に関する規制は次々と廃されて、かつての労働慣行は後退した。労働組合の組織率は低落し、経済や政治のみでなく広く文化と社会の面でも「労働」の影響力が減じている。
 いま私たちは、「労働」の研究をどのようにとらえ、いかなる方向に議論を進めるべきなのか。日本の労働(問題)研究に重要な役割を果たしてこられたお二人を迎えして、ともに考えてみたい。

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