一方的な知識の伝達ではなく、自らの頭で考えることや、他の人の意見をよく聴いて議論をすることに主眼を置いた、対話型教育により、学生自身の能力を引き出す取り組みを行っています。

対話型教育の教室では、教員から学生への一方的な伝達ではなく、学生による主体的な発言を求め、対話によって講義が進行します。日本においては、2010年4月から6月までNHK教育テレビで放映された「ハーバード白熱教室」で、マイケル・サンデル教授の「正義Justice」の講義スタイルによって、一般に広く知られるようになりました。

千葉大学における対話型講義

小林正弥教授が千葉大学法経学部にて担当する「政治哲学」「政治哲学特講」「公共哲学」などにおいても、2010年度から対話型教育を実践。2011年度からは、ハーバードの方式に倣い、この講義と連動する「演習」が開設され、2名の若手研究員が非常勤講師として指導を担当しています。講義のあとには演習担当の講師に加え、ティーチング・アシスト(TA)を務める大学院生も受講生をサポートしています。

2019年度の開講科目は以下の通りです。シラバスはこちらでご覧頂けます。

1-2ターム(前期)火曜日2限 公共哲学I (小林 正弥)
4-5ターム(後期)火曜日2限 公共哲学II (小林 正弥)
1-2ターム(前期)水曜日3限 政治政策演習(公共哲学演習Ⅰ)(宮﨑 文彦)
1-2ターム(前期)火曜日5限 政治政策演習(公共哲学演習Ⅰ)(木下 征彦)
4-5ターム(後期)水曜日3限 政治政策演習(公共哲学演習Ⅰ)(宮﨑 文彦)
4-5ターム(後期)火曜日5限 政治政策演習(公共哲学演習Ⅰ)(木下 征彦)

学生による感想

  • サンデル教授の講義を連動させて授業が進められていた点において非常に興味を持つことができました。また対話式講義も実際に行われてアウトプットを明確にして進められていた点が面白さをひきたてていたと感じます。後期も是非受講させていただきたいと思います。
  • 授業を通して、それぞれの哲学者がどの様な立場をとっているのかが、少しだけわかりました。しかし、それを現在社会が直面している問題に当てはめようとするには、まだ理解が足りていないのだ、と自分は感じました。サンデル教授の講義をテレビで見ることが、殆どできなったこともあると思いますが、哲学と自分の感情との線引きがとても難しかったです。
  • テレビの内容をそのまま講義に持ってきているのは面白かった。自然に予習・復習が出来ることもメリットだった。掲示板への書き込みに関しても他の人の考えも分かり良かったです。
  • 対話型授業は、生徒にきちんと授業を理解するイニシアティブを与える。是非とも、来年の政治哲学の授業でも、この方式を取り入れてほしいです。
  • 対話型の授業で、自分も授業に参加しなければいけないので、より一層授業に集中する必要があり有益だった。多くの講義で採用してほしいです。

対話型公共哲学TV

学外で開催されたシンポジウムや対話型講義の動画は、対話型公共哲学TVにて公開しています。

対話型公共哲学TV
http://dialogue.public-philosophy.net/

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